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日刊とうばんの電子版
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 亀田一家に対する報道が連日のように続いている。世界チャンピオンをゴキブリよばわりし、「負けたら切腹」など派手なパフォーマンスとビッグマウスで世間の注目を集めたが、試合は終始チャンピオン優勢、思うように闘えない亀田大毅選手は、反則による減点を繰り返し、大差で判定負けした。散々注目度を高めたその反動で試合後は一斉に亀田一家に非難の目が向けられた。(最後に一発逆転でKOでもしていたらどうなっていたのかと思う。ヒーロー誕生だったのだろう。散々持ち上げたテレビ局もそれを期待していたに違いない。)TBSにも亀田寄りの実況などに対する抗議が殺到したようだが、そんな国民感情を察知したのか、マスコミは徹底的に亀田親子をたたき出した。1年間のライセンス停止は甘いと世論も厳しかった。亀田パパ史郎氏の謝罪会見も反感を買って失敗に終わる。一方チャンピオンの内藤選手人気急上昇。(コマーシャルの内定もあるとか)
 ところが、長男亀田興毅の謝罪会見で、この間の騒動を一身に背負って精一杯対応するも執拗に質問する記者サイドに世間の非難は移った。私の妻も「まるでイジメのよう」と憤慨していた。20歳の青年1人に対して世間の声をバックにマスコミ権力を振りかざして多勢で挑みかかる姿勢は「イジメ」以外の何者でもない。質問する記者は、メディアの影響力を考慮し権力者としての配慮とバランス感覚がもっとあってもよい。視聴率が稼げたらよいでは情けない。
 オウム真理教事件の時犯人扱いされた、河野さんの言葉を思い出した。オウムの毒ガスより怖かったのはマスコミに踊らされた国民というような発言をしていたように思う。権力は暴走する、その権力を規制するのが憲法。国家の主人公は国民と宣言しているのが憲法。我々国民は、権力者側の宣伝やムードに惑わされずに冷静に判断して権力の暴走にブレーキをかけなければならない。今進められている憲法改正はそれを否定しようとする動きである。
 あー子供たちから一度でいいから「世界一の父親」と言われてみたいなー。
【日刊紙No.8668】11/14掲載文
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